diary

2008年4月30日(水曜日) リハビリ中。

★一回書かなくなると、復帰にとてもエネルギーが必要となる。とりあえず少しずつ足跡を残し始めたい。

★祝日初日は久々に自転車に乗る。半年ぶりくらいだが、タイヤの空気も減っておらず概ね問題なく乗れた。出社途中に公園の芝生に寝転んで昼寝したり本読んだりしたので、休日出勤とは言いながら少しは気分転換になったかと。

★本屋大賞受賞作読了。そういや先日の授賞式で本人を初めて見たが、スピーチは大変木訥としていた。技巧的な文章とは対照的で意外な感じ。

ゴールデンスランバー
ゴールデンスランバー
posted with amazlet at 08.04.30
伊坂 幸太郎
新潮社
売り上げランキング: 81

仙台市内で突如起こった首相暗殺事件。その犯人に仕立て上げられたのが、まったく政治に関連のない一人の男だった。わけもわからぬまま逃走を続けるも、高度監視システム網が張り巡らされた中で、刻一刻と事態は悪化して・・・。こういうと何だが、ちゃんと本格サスペンスぽくなっていて、伊坂ぽくないなぁと第一感で思う。わたくしが思う伊坂幸太郎というのは、比喩表現が多発された技巧的な文章で、ミステリーの装いをしながらもどこか幻想的な世界を持ち合わせてて、というイメージだったのだが、本書はちゃんと骨太の作品になっており、結構多くの人に楽しんでいただけるのではないかと思う。

20名超の会議を必ず1時間で終わらせる“ライブドア流”会議術
すでに話題になってて何をいまさらな話だが、シンプルでわかりやすいのでリンク。アジェンダを用意しない会議は本当にだらけるよね・・・。

プチ電通・プチ博報堂化するネット系広告会社営業マン
これもちょっと昔の記事だが今ごろリンク。ネット専業の広告代理店が「Yahoo!さえ売ってれば」状態になっている・・・のはある意味しょうがないと思う。インターネット広告は既存マス媒体に比べてさらに枠の数が多く、一つあたりの売り上げがとんでもなく小さい。いくら「雑誌広告売上をネットが抜いた」と言われたところで、本当に大きな売り上げを稼いでいるのはYahoo!をはじめとする超上位のポータルサイトのみだ。そんな中で「もっとクリエイティブを」「もっと他の媒体を」といっても効率が悪すぎる。逆に媒体側である我々出版社は、どうポータルサイトと違うインターネットメディアを構築し、活用し、会社が成り立つ程度の収益を稼ぐのかが課題なのだが、それがわかれば・・・苦労しないのだよ・・・。

インサイター:読んでおきたいWEB漫画『オナニーマスター黒沢』
一気読みしてしまった。面白いじゃん。これってどこかから商業出版しないんだろうか?

『面白い』を的確に使用するのはなかなか難しい
自分も(すぐ上でも安易に使っているとおり)すぐに「面白い」って言葉で逃げてしまうのだが、本来言葉を操る者であれば、こういう表現は避けるべきなんだよね。単に「面白い」で終わらせるのではなく「何が、なぜ、どう面白いのか」をつきつめて考え言葉を探すことが、企画を考える側に回った時にも重要になってくる。

★ユニクロのブログパーツ「UNIQLOCK」の新バージョン(「音楽をオン」にしたほうがいいのだが、突然音が出るのも何なのでデフォルトではオフにしてある)。

相変わらずカワイイ・・・しばらく眺めてたらすっかりこんな時間に!

2008年4月29日(火曜日) わずかに復活。

★久しく沈黙を保っているうちに一つ歳を重ねてしまった。某雑誌系オンライン書店の方から「34歳ですか?じゃあまさに“ザッシ”の年ですね!」というメッセージをもらう。どこまで仕事熱心なんだ君は(笑)。

仰天! 本屋店内で一騎打ち!! DDT が脅威の『本屋プロレス』旗揚げ!!
先週日曜日に旗揚げ。私はさすがに遠慮したのだが、動画がupされているのを見る限りでは、わずか十数坪の街の書店に200人以上のプロレスファンが集まる驚異的なイベントになったそうだ。これはすごい。道を自動車が通るときにはみんな協力し合って道を開けたりするところとかもおかしい。そして、一冊の本にも被害を出さず、でもプロレスをやりきる彼らのプロフェショナルさに舌を巻く。現場に居合わせてない私が意味づけを語ると店長に笑われそうだけど、やっぱりこれは「制約された条件の中でどんなベストパフォーマンスを引き出すか」というテーマでプロレスと街の書店は共通しているのだ、と思わざるを得ない。

水道橋SmallCafe: 冴えてるインテルの”ROAD TO CIO”
数あるWebキャンペーンの中で、非常に完成度が高いとされている一つ。営業からシステム開発に飛ばされた若手社員が、上司や周囲との衝突を繰り返しながらも自ら考える「ITのプロ」に向かって爆進する姿を描くサラリーマンドラマと、「IT業界人の心の叫び」を投稿させるCtoCコミュニケーションとを組み合わせた秀逸なプロモーション。

2008年4月21日(月曜日) すみません。

★ずっと更新できておらず申し訳ありません。すごく忙しいというわけではないのですが、ちょっと煮詰まってて・・・。ぼちぼち復活したいと思っております。

2008年4月8日(火曜日) 

★花粉症の症状も軽くなってきた先週末、自宅からほど近い小石川植物園にふらふらと出向き、散りかけの桜の下を散歩して芝生で昼寝。近くにこんなのんびりできるところがあったとは。あまり人も多くないし、これなら休日自宅で昼寝するくらいなら、ここに来たほうがいいや。

★「自分が面白がれる仕事」や「他人が喜んでくれる仕事」、あるいは「自分が下支えとして機能している仕事」だったら寝食を忘れて取り組むことができるんだけど、どれにも該当しない仕事になると、とたんにトーンが落ちる・・・。そういう仕事の場合は自分もあまりよく状況がわかってなくて、すべての対応が後手後手になり、結果面倒なことが起き、余計に次の手を打つのが億劫になり・・・そんな悪循環。わかってるんすよ。わかってるんですけどね。

★全国の企業内ネット担当者を思いきり敵に回す一冊。でも、言ってることはまぁ普通なのだが。

御社のホームページがダメな理由―98%は死んでいる
竹内 謙礼
中経出版
売り上げランキング: 316

「ホームページにムダなお金を使うな!」「御社のネット担当者は実は仕事をしていない!」・・・非常に耳の痛い指摘の数々。出版社の場合は自分たちが単なるメーカーじゃなくてメディア企業だから状況は違うもんね、とうそぶいてもいいが、ここに書かれていることのいくつかはすでに当てはまっているし、参考にすべきことも多い。ただ、本書は「ホームページは最低限の情報を入れてほったらかしでもいい」というスタンスを取り他の本の真逆を進んでいるようで、実は読み進めると他の本と同じことを言っている。要は「もしWebサイトを事業化させたいなら広告費をきちんとかけてとことんやれ(中途半端にやるな)」「インターネット事業そのものを自己目的化せず、全体の事業の中にインターネットメディアを相互補完的に位置づけよ」ということだろう。企業の中におけるネット担当者は「単にWeb業界に詳しい人」ではなく「事業に詳しく、他部署や他社とコミュニケーションがとれる人」がふさわしい、らしい。大丈夫か自分。少なくともWebの業界は詳しくないぞ。

マガジンハウスのWebサイトが大幅にリニューアル。新聞報道によると、Web内の仮想都市空間を用いた広告収入モデルを実現し初年度売上10億円を目指すという。さすがマガハ。すげーなー。かっちょいいなー。でも、ここに広告を入れようと思ったらよほどしっかり集客をしなければ、という気がするが・・・決してラクな道のりじゃない。

★そして講談社もコミックプラスというコミック情報サイトをオープン。記事によると、講談社の漫画誌16誌と1万冊の単行本情報を集約し、検索、立ち読みに加えて同ジャンルの商品を連想検索できる機能も搭載。確かに、「それが好きならこっちも読んでみなよ」というススメかたは漫画や小説などのエンタテインメントには有効だと思う。ただ、カネかかるサイトだろうなぁ。すごいなぁ。

★その一方で「zino(ジーノ)」及び「@zino(アットジーノ)」事業終了のお知らせ。『LEON』の岸田一郎氏が満を持して起こした新媒体も難しかったようだ。私の印象では、インターネット業界は1000のビジネスの中から3つくらいが勝ち残って大きな収益を上げ、残りの900幾つは敗北して撤退に追い込まれるものの、新たなプレイヤーがそれ以上の数で参入し・・・という状況だと思っていた。しかし、それはインターネットに限ったことではないのではないか。出版はもともと利幅が非常に薄いものの、競合他社と仲良くしながら、長く事業を継続していける業界と思っていた。しかし少なくとも雑誌の世界は「3号売れなかったら休刊」というスピードの時代になっているし、書籍とて決して安穏とした状況ではいられない。

ニセモノの良心:テレビ番組の保管の方法
映像業界のアーカイブは大変だろうなぁ。まず物理的に容量を食うし、権利者がたくさんいるし、検索が難しいし。

NHK、過去の放送番組を有料でオンデマンド配信、08年12月から
テレビ局側がテレビ放映コンテンツをブロードバンド配信・・・民放ではどうしても思いきれない事業がNHKならできる。問題はこの事業がNHKオンデマンド事業の利用者からの費用でまかなわれるという点。システムに対する投資や権利処理のことを考えると、ユーザからカネを取っても絶対に単独事業としては成立しない気がするが・・・。でも、こういうのがビジネスとしてきちんと成立する世の中になってほしい。私は。

2008年4月3日(木曜日) ぼくたちと本が変わるときの話

★来客や会議がどたばたと続き(まぁそういうスケジュール設定をしたのは自分だ)、いろんな仕事を積み残ししたまま会社を飛びだしCAMP:「ぼくたちと本が変わるときの話」というトークイベントに出席してみた。司会の内沼氏はブックコーディネーターとしてアパレルショップ等に置く本の選書を行うなど幅広く活動。古屋氏はビジネス書業界でコンサルティング活動を行うエリエス・ブック・コンサルティングに勤務。そして常盤氏は日販という取次の経営戦略部門でケータイ小説を担当している。三者とも本の業界にいるのだが「いわゆる出版業界」から距離を置く人たち。「電子書籍って儲かるのか」「本というパッケージのブランド価値」「セレクト系ブックショップの現状」などテーマが多岐にわたり非常に面白かった。メモをひっくりかえしてみると「コンテンツがあっても、メディアがあっても、コンテクストが確立されていない本は売れない」(古屋氏)、「BL等の同人誌は30~40ページで一冊となっており、電子書籍にするとちょうど2ファイル程度。このくらいの分量がユーザにはちょうどいい」(常盤氏)、「売るためではなく、思想を伝えるために本はとても強い。置きたがる店はたくさんある。あとはそれに流通がどうこたえるかだ」(内沼氏)・・・etc.いやーすげーなー、みんな。3人とも80年~81年生まれと若いんだが、言ってることが非常に明快だし戦略的だし、実際にそれを仕事としても実践して成功している。やべーなー、焦るなぁ俺。

★そういえば「なぜ本の世界には“製作委員会”方式がないんだろうか」みたいな話があって、これも確かにそうだなぁとも思う。映画などと違って本の場合は製作コストが安いから、資金調達のためにファンドを組むという発想はあまりない。著者側にリスクを持たせるという意味では自費出版や企画出版・カスタム出版といった事業はずっと以前からある。しかし、「当事者意識を持たせるため」の製作委員会というのは一つの手なのではないか。書店員のコメントをオビに最初から入れて出版している文芸作品なんかが今もあるけど、あれの目的の一つには「オビにコメントしたんだから、その書店では頑張って売ってくれるんだろう」という版元側の打算もある。しかし、もう少し踏み込んだ形で流通とかいろんな人たちを本作りの段階から参加させることはできないのだろうか。

★どうしても出版業界の中に身を沈めていると「既存の産業を維持するためにどうするか」という発想でモノを考えがちなのだが(そうしないと自分が食いっぱぐれてしまう)、読者や著者にしてみれば、本というパッケージには魅力はあるけど、本を支える流通とか業界なんてのは別に興味はない。誰でもどんな形でもいいから「届けばいい」のだ。それが場合によってはデジタルデータのままになっててもかまわない。もちろん、本というパッケージをプロデュースするために編集者という存在は必要なのだろうけど。

万引き防止、マーケティング活用…ICタグが出版業界に革命を起こす

ブックオフ「著作者団体に1億円払います」
具体的な金額の提示は初めてだが・・・この場合は著作者のみに払われてしまうのか。版元に権利はないんだろうか。

2008年4月2日(水曜日) 働くということ。

★急に「じゃあ今夜行くか」という話になって友人とダーツに興じる。いつの間にそんなにうまくなって!と思っていたら彼なりに絶不調で落ち込んでいた。しかし私も輪をかけて不調。あれは我々のせいじゃない、台が悪いんだ!

★「新入社員にオススメの本を選べ」と研修担当者から言われ出版業界研究本を何冊か選んだのだが、一冊毛色の違うこの本を紛れ込ませておいた。初版は1982年。

働くということ (講談社現代新書 (648))
黒井 千次
講談社
売り上げランキング: 4538

自らも自動車会社で働いた経験を持つ芥川賞作家が働くことの意味と意義を考える一冊。最初は仕事の全体像が見えず目の前の業務に格闘するばかりだが、経験を積み重ねていくうちに「仕事が自分の中に入ってくる」瞬間がある・・・。かつて、往来堂書店、bk1、楽天等を経てファザーリング・ジャパンを主宰する安藤哲也氏に取材した際、「転職を決めるときには必ずこの本を読み返す」との話を聞いて、私も手元に置くようになった。まだ転職はしてないけど、このように何かの折に思い返しては読んで、そのたびに違うところに感じ入りページの端を折ってみたりしている。
それにしても改めて、講談社現代新書は新表紙で損しているなぁと感じる。今の装丁では軽すぎて、読み捨てられちゃいそうだ。どう見てもかつての表紙のほうが手元に置いておきたいという気にさせられる。

炎の営業日誌を読んでさっそく影響を受け柴崎友香『主題歌』を読んでみる。いいなぁ女の子カフェ。まざりたいなぁ・・・こういう女子の日常を描く話を読んで改めて、私は「オンナ」より「女子」が好きだと思う。でも、それでもやっぱり本書は私にはこそばゆすぎたか。

『B型自分の説明書』、買っているのはどんな人たち?
書店で「なんでB型しかないの~」と言ってるお客さんを複数回見たことがあるので、他の血液型版が出てくるのは当然。でも、B型だから売れたんだろうなぁという気がする。

団塊世代の中で、全共闘で活動した人はもともと少数派
「世代」でくくることに無理がある・・・と言いながら、世代論ってついしてしまう。血液型性格論と同様に。

2007年度日本映画産業統計を読む
見逃していて今さらではあるが、非常に良質な映画産業分析。日本映画のヒットにテレビ局が不可欠の存在となっているのはここ数年変わらない。

「耳で読む」オーディオブックをネット展開、オトバンクに聞く「音楽」以外の音声コンテンツ・ビジネスの現在
米国など海外ではオーディオブックが一般的だというが、日本ではあまり目立たないのはなぜだろうか。落語と英会話とアニメの人気声優が展開するラジオドラマくらいじゃなかろうか。しかし、オトバンクが古くから取り組んでいることもあり、徐々に日本でも広まりつつある、という感じだろう。「コンテンツを音声化するコスト」を回収できるほどの市場規模になるかどうかがカギ。