diary

2008年9月24日(水曜日) 祝日明け。

★祝日のほうがかえって仕事が進む。

月刊アスキーがリニューアルして今月より「ビジネスアスキー」に。巻頭特集が「30代給料の現実」・・・リニューアルしたら他のビジネス誌と変わらなくなった。個人的には今までのほうが「ITとビジネス」というコアがしっかりあって、好きだったんだがなぁ。今まで定期購読してたけど、これなら特集によって買う買わないを決めるべきかもしれん。

★ビジネスアスキーの中で、月アスから引き続き連載をしている「山崎マキコのおとなの社会科見学」の中で東京コンテンツプロデューサーズ・ラボというスクールが紹介されていて興味を引く。モノを作ることや専門知識を駆使する人はたくさんいるけど、それらを束ねてビジネスにしていける人材が少ない。そのためにはコンテンツ製作や流通はもちろんのこと、法務や財務、ライツの知識も正しく持ち、それぞれの専門家と渡り合わねばならない。うんうん確かに。自分もちゃんと勉強したいなぁ。でも通年コースで72万円か・・・高くはないがなぁ・・・。

グーグルが起こす”広告革命”と”プライバシー監視”ビジネス
マスメディアを主体とした「宣伝」は効果が薄れ、現在はGoogleを中心とするユーザの行動監視によるターゲティング広告が主流となる・・・まぁ使い古された話だがやっぱり旧メディア会社にいる私には重くのしかかる言葉だ。ちなみに上記記事はさわりだけしか書いてない。この執筆者が書いた本を読んだほうが、時間はちょっとかかるかもしれないが考えがきっちり整理されると思う。

マーケティング・リテラシー―知的消費の技法
谷村 智康
リベルタ
売り上げランキング: 5323

2008年9月22日(月曜日) 最近はボヤキばかり

★祝日があってもあまり嬉しくない・・・結局仕事の〆切が前倒しになって苦しむだけなのだから・・・。

ミシマ社の挑戦―自由が丘の静かな住宅街、築47年の日本家屋から良書を発信する
あえて山手線の外側で物件を探す、和室のちゃぶ台を中心に車座になって会議、「10年読み継がれる本を作る」・・・ミシマ社は本当に創業者である三島氏の理念がしっかりしていて、わかりやすく、ぶれていない。

雑誌休刊ラッシュが示すマスメディア生死の分かれ道
この手の話が本当に増えた・・・。出版社の強みはコンテンツの「制作力」と「流通力」にあったのだが、少なくとも後者の強みは今非常に薄れてきていると思う。

★かつて「eビジネス」なんて言葉がはやって「インターネットが世界を変える!」と言われていた10年くらい前のことをみんな覚えていて、結局何も変わらなかったじゃないか、と思っている人が多いんだと思う。「インターネットにすぐ収益を期待するな」という発言をすると、みんな「じゃあ今やんなくていいじゃん」という話になることだろう。でも、あの頃から比べると確実に世界は変わっている。川の中にいると水の流れに気づかないように、インターネットによって確実に情報流通の世界は変わっている。紙による情報流通自体はなくならないし、場合によっては増えることもあるかもしれない。だけど、情報流通全体から見たシェアは確実に落ちる一方だろう。

アドネットワークは日本に定着するのか?
アドネットワークとは、あるサイトにバナー広告を出広すると、自動的に提携サイトにもバナーが掲出される・・・というもの。広告主からすると、一か所に出広すれば幅広いリーチを獲得することができ、媒体社からすると自ら営業しなくても枠を埋めてもらえる・・・という両者の思惑が一致する。集客力の少ないサイトでも気軽に広告取り扱いを始めることができるが、その分PVという指標のみで評価されてしまい、小さいサイトはいつまでたっても収入を得ることができない。当たり前だがラクして儲けだけとるということはできないものだ。

「UNIQLOCK」は売上に貢献したのか?その答えは…
このパネルディスカッションはぜひ会場で聴いてみたかった。UNIQLOCKがユニクロのTシャツの売り上げにどれだけ貢献したかを測るのは難しいし、たぶん貢献してないと思う。でもそれを言ったら旧来マスメディアを使ったコマーシャルの多くも同じようなもんだと思うし、少なくとも私の中では「ユニクロ=カッチョイイ!」というイメージが紐づかれ、これは非常に良い効果だと思うけどね。

二大迷路商店街【デイリーポータルZ】
廃墟ブームの次は商店街ブームが来るか?

2008年9月10日(水曜日) 今日はWeb広告の話ばかり。

★頸椎に爆弾を抱えていて、ひどく肩がこったり変な体制で寝たりすると、突如として激しく痛みだすことがある。昨晩からソレ。こうなると首は回らないはどう態勢とっても痛いわ・・・

★出版社で働くようになって10年余、Webの世界には常に何かしら片足の指先くらい入っていた私は、Webの中の文化とか、あるいはオンライン書店などの「本を売るWeb」みたいなことには少しは知識はあるつもりと自負している。しかし、「Webメディアの広告」に関してはまるっきり知識が疎く・・・いや、そもそも雑誌も含めて広告のことがまったくわかっていない。で、いま慌ててそういう勉強を始めては会社の中でも知ったかぶっているわけだが、たまたま読んだ2冊は情報の整理としては非常に役に立った。

クロスイッチ―電通式クロスメディアコミュニケーションのつくりかた
電通「クロスメディア開発プロジェクト」チーム
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 328

消費者のココロを「クロス」メディアで「スイッチ」オンさせる・・・電通内のプロジェクトチームが、自らの実績とクロスメディアの考え方についてを解説。「ジャンプSQ」の「検索しないでください」キャンペーンや、「Roots飲んでゴー」キャンペーンなど、実際多くの人の印象に残った豊富な事例がわかりやすい。・・・そもそも「メディアミックス」と「クロスメディア」とは何が違うのか、という話をよく聞くが、前者はターゲットに対しいかに限られた予算内で効率的にメッセージを届けるか、そのメディア配分の手法をさすのに対し、後者はターゲットを効果的に動かす導線をいかに作るか、そのシナリオ作りの手法をさすことが多い。
この「導線」という考え方は非常に重要で、例えば「主婦もケータイを使うようになったからケータイサイトを作りましょう」ではなく、主婦の生活パターンを考えるなら「朝は新聞の折り込みチラシ、午前中の主婦向け番組にテレビCM、買い物に出かける午後4時前後にケータイでメルマガ、スーパー店頭に販促POP」とか(これはわたくしのたとえなので、間違ってたらごめん)、そこまでを考えた上で「どうしたら総体でターゲットに印象づけられるメッセージを作ることができるか・・・という話になってくる。おっと、こうなったときに「雑誌」の特性と役割って何なのだろうか。

最新図解「進化するネット広告」のすべて
佐藤 尚規
技術評論社
売り上げランキング: 27517

成果報酬型、リッチメディア型、モバイル、コミュニティ型、バズマーケティング・・・Webの広告に関してを網羅的に解説。それぞれのビジネスモデル、長所や短所も描かれ、これまた入門書としてわかりやすい一冊。たとえば私のような素人は「一般的なバナーのサイズ」すら知らなくて、ネットで調べても新旧の情報が混在してて結局よくわからないのだが、本書を読むと非常に明快に書いてある。この世界は本当に技術の進歩が早く、古びてしまう内容もあるかもしれないが、教科書としてはばっちりではないか。

日本のネット広告費はメディア接触時間に比べればまだ少ない
雑誌広告はとっくに抜かれ、3年後には新聞広告を追い抜くのではと言われているネット広告費だが、メディア接触1分あたりに換算すると、まだまだ新聞や雑誌のほうが高い、という話・・・。もともと雑誌の広告単価が高いのは「わざわざ購入して読んでくれている」「ターゲットセグメントが明確にされている」からなのだが、もはや雑誌を買う人が減少し、ターゲットセグメントはネットに負ける、ということで・・・雑誌のメディア価値はまだまだ下がっていくだろう、という気がする。そうすると出版社としては、今までのラクして儲けるスタイルが無理となり、安い利幅でより効率的に小銭を稼ぎ続ける・・・というモデルを志向していかざるを得ない。そうなると・・・今の人員数で、厳しいですなぁ。

いろいろもう死んでいる(雑誌編)
雑誌の休刊が続々と報じられている。今度は小学館『ラピタ』も休刊に。そして、鳴り物入りで立ち上がったデジタルマガジン『SooK』も9月末をもって閉鎖という事態になっている。『SooK』に関しては実験的な媒体という位置づけは強かったからしょうがない部分もあるのだが、それにしても媒体の整理はまだまだ加速している。「雑誌がヤバイ」という感覚はみんなが持ち続けていながら、竹熊氏言うとおり誰も手をつけられなかった・・・ということなのだろう。でも、実は船の中の人はあんまり「自分たちがヤバイ」とは思ってないすよ。「自分の船はなんとか難破せずに生き残れる」と思っている人が多いと思う。ヤバイと思ってる人は、すでにネット業界かどこかに逃げてるし。

米Plastic Logic、雑誌感覚で読める薄型リーダー端末を披露
「電子書籍じゃありません」 ブラザーの「業務用」電子ペーパー端末
小説160冊を1台で持ち歩けるソニー「e-Book」リーダー、英国に進出
電子書籍端末関連でいくつか。日本では専用端末はほぼ死滅してしまい、「電子書籍はケータイで」というのが主流になっているが、海外においてはまだまだ注目を浴びているもよう。これも使い勝手と値段の問題で、一気に普及するポイントがあるかもしれない。

2008年9月4日(木曜日) Chromeが快適

★映画デトロイト・メタル・シティを観る。原作がギャグマンガなのに、映画では妙に良い話になっていて・・・ちゃんと成長物語だし家族愛だし甘酸っぱい恋愛のモチーフもあってギャグも、という感じで、普通に楽しめた。で、出てくるキャラクターが原作通りだったりかけ離れてたり、というのを見るのもコミックファンの楽しみ方なんだが、その中でもプロデューサーのアサダさん(だっけ?)の描かれ方が一番秀逸。口を開けば「お、この観覧車もボクがプロデュースしちゃおっかなー」みたいな、原作にはないセリフの数々に爆笑。世間の人が思う「プロデューサーという肩書き」への不信感が非常に色濃く表れている。

★自分がアサダさんの言動を気にしてしまう理由は明確。最近改めて、自分の仕事はディレクションでも営業でもなく「プロデュース業務」なんだなぁと思うからである。それは何かと聞かれると、企画をたて方向性を決めてスタッフを集めて全体の進行や予算を見て、誰も手をつけてなかった仕事に飛び込んで手を出したり、スタッフ同士のもめごとに飛んで行っては片方をかばったりかばわなかったり・・・。うーん、なんだろう、編集者と一緒? いや、編集者よりも「作る」業務からは離れてるよなぁ、やっぱり。

★というわけで、日本で一番有名なプロデューサーに学ぶべきだろう、ということで本書を読了。

仕事道楽―スタジオジブリの現場 (岩波新書 新赤版 1143)
鈴木 敏夫
岩波書店
売り上げランキング: 123

 
スタジオジブリで宮崎駿、高畑勲というクリエーターを従える鈴木敏夫が自身の半生を振り返り、仕事のスタイルを語り下ろす。私はアニメにあまり関心がなく、『もののけ姫』も『千と千尋』も見ていないほどだが、鈴木氏の考える仕事論にははっとさせられることが多い。宮崎駿が鈴木氏を評していわく「仕事をさせてないふりをして、仕事をさせている。あおっていないふりをして、あおっている」というのは言いえて妙。本書でも述べられているとおり、日本におけるプロデューサーとは「ことばを操る」仕事なのだと感じる。それは文章でも口に出す言葉でもなんでもいいのだが、クリエイターをやる気にさせるのも、作品にテーマを見出して宣伝プランを考えるのも、クライアントを口説き落としてオカネをひっぱってくるのも、すべてはプロデューサーの言葉がその端緒となるだろう。では、周囲に不安感を与えず、言葉に信頼性を持たせるためにはどうするか。その考え方、ヒントを本書で読み解くことができる。

iPhoneで儲ける!モバイルビジネスの新しい収益モデルとは?
そもそも、iPhoneもiPodTouchもアプリが動いたりブラウジングができたりする点では一緒、ということに気づいてない人がとても多い。iPodユーザは周囲に山ほどいるが、iTSの中にAppStoreがあることに気付いてない人もとても多いし。とはいうものの、企画ブレストしてると面白いね。食べログのiPhone用アプリのように、iPhoneのGPS機能を生かしたサービスとかって、やってみたいなぁ。

雑誌の記事をウェブで先行配信する狙いとは?角川クロスメディアが「ウォーカープラス」をリニューアル
何度も口にしている「ウェブファースト」の考え方だが、確かにウォーカーのような情報誌業界ではそのやりかたで合っている。問題は、それによってかかるコスト増を、別の売り上げで補完できているのか・・・という点だ。月間1億PVでは・・・まだまだ先は長いのではないでしょうか。がんばれ。

Google Chrome、ダウンロード開始
Googleが配布を開始した新ブラウザChromeを使ってみる(「クローム」と読むのだが、ネット界隈では「ちょろめ」と言われているようだ)。FireFox3を入れた時にも、そのスピードの速さと快適度には驚いたのだが、Chromeのサクサク動く感じはそれをさらに上回る。すごい。Gmailユーザとしては読み込みがとても素早いのもよい・・・。と、ここで気づいたのだが、ここ数カ月、妙にGmailの読み込みが重くなったなぁと感じていたのだが、それはもしかしたらGoogleが「わざと」他のブラウザでの操作感を悪くしてるんじゃないのかな、という気がしてきた。

★さっそくLOFTに行き、ほぼ日手帳2009を物色。4年目にして初めてナイロンのカバー(紫)を使っていたのだが妙に汚れが目立ちいやな気持になっていたので、革のカバーが一刻も早く欲しい!と思い、フライング気味に購入。迷った末にグリーンにした。私の中ではしばらく、みどりブームが来るかと思われ。まぁでもその一方で最高級コードバンカバーにも強烈に惹かれるんだよなぁ。限定300個生産で、お値段は3万円・・・。抽選販売に申し込むかどうか、非常に迷い中。

2008年9月2日(火曜日) 出版ネタばかり。

★福田首相の辞任報道。150坪書店員BLOG氏の記事で気づいたのだが、本日発売の『サンデー毎日』が「『福田』が10月下旬 政権を放り出す重大理由」という大特集を組んでおり、タイミングが良いんだか悪いんだかよくわからない。時期は外したけどある意味預言者的でもあるよな。

大型誌、有名誌が相次ぎ休刊へ
講談社、「月刊現代」など3誌を休刊、発行元の移管も
なぜこの時期になのかはよくわからんが、立て続けに雑誌休刊の報道がなされている。もちろん、ココに出ないひっそりとした休刊はまだまだたくさんあるのだが・・・。超大手出版社ですら、もはや意地で維持していた雑誌を支えきれなくなっているのだ。しばらくは淘汰が進むであろう・・・。

ブックオフ、新刊書店「ワイシーシー」運営会社を買収へ
明林堂書店、負債147億8000万円で経営破たん
一方、書店に目を向けると、「個人経営の町の書店」の危機は言うに及ばず、倒産・買収の波は中規模以上のチェーン店にも及び始めている。これまた、ここに載らない経営破たんは昔からたくさんあるのだが、今までは取次がうまいこと救って表向きは見えないようにしてきたのだが、もはやそれにも限界があるということか。それにしても上記2つの記事には驚いた。

livedoor BOOKS が出版取次大手トーハンのインターネット書店『e-hon』に加盟
地味なニュースかもしれんが・・・オンライン書店とて、決してラクな商売ではない。amazonの独り勝ち、Yahoo!Books(セブンアンドワイ)と楽天ブックスがかろうじてついていっているが、利益率で考えると何のためにこの事業やってるの?状態だろうし、他のオンライン書店に至っては相当厳しい状態であろう。これまた、連携という名の統合がしばらく進むだろう。

★この出版業界の落ち込みが、ある特定の会社の経営問題なのか、業界構造の問題なのか、はたまた日本産業全体の問題なのかが、複雑に入り混じっててよくわからない。カイシャにいると「経営陣の意思決定がむちゃくちゃで会社がダメになった」という愚痴をよく聞くのだが、私はそういう経営批判にあまり興味がなく、それよりも出版産業という陸地自体が沈む危機、というほうに強く焦りを感じざるを得ない。いま陸上で小競り合いしててもしょうがないわけで。

★で、出版業界でメシを食う私としては、今までは「既存の出版産業をいかにして維持するか」という方向でものごとを考えたり仕事に臨んだりしてきたのだが、ここにきてかなり考えが変わってきた。出版という大陸が沈むいっぽう、デジタルメディアという島は確かに急速にいくつも生まれている。しかし、残念ながらそれぞれの島は小さく、どうみても大陸の人が全部移れるとは思えない。「こっちが沈没の危機なのに、お前ら何のんきに島でまちづくりごっこして遊んどるねん」と非難されるのももっともなことだ。でも、いま誰かが島を整備して人を住めるようにし、なおかつ大きな島が幾つも生まれるようにない知恵を絞り、大陸から島に橋を架け連絡便を通す・・・ということは、どうあってもやらねばならないことだ。間に合うのだろうか。でも、間に合わせなければならない。

★それはそれとして、新文化さん、ニュース記事個別にリンクがはれるようにしていただき、ありがとうございます。ブロガーとしては記事にしやすいです。

マーケティング・ブレイン: air BE-PALの休刊に考えたこと
雑誌のコスト構造とネットのコスト構造は明らかに異なる・・・のは確かにそのとおり。出版社は「質の良いコンテンツ」を売りとしているわけだが、質の良いものを作ろうと思ったらやはりコストはかかるわけで・・・非常に難しい課題である。

雑誌の定期購読をプレゼントする「zapre」
アキュビューコンタクトレンズのプロモーションを見て初めてこのサービスの存在を知る。カタログギフト会社の大和が、なんと2005年から開始していたものだったとは・・・知らなかった。ただ、値段を見るとどう考えても割高だなこりゃ。定期購読なんだし、むしろ割引するくらいのほうがいいのに。