diary

2008年10月29日(水曜日) 2008年最後の「でるべんの会」お知らせ

★おそらく年内最後になる「でるべんの会」勉強会のお知らせです。
個人経営店が生き残るために必要なこと――新宿駅「ベルク」と「伊野尾書店」から学ぶ、顧客をつかむ秘訣とは―― 11/20(木)19:00-新宿文化センターにて
先日よりここで告知していた新宿駅の名カフェ「ベルク」に関わる勉強会を開催することになりました。出版関係の勉強会でカフェ?と思うかもしれませんが、チェーン店台頭の中どうやって顧客をつかむのか、その秘訣はビジネスに携わる人にとって役立つ話になることは間違いありません。対する伊野尾書店さんもこのブログでは何度か取り上げさせていただきました。差し迫った案内で恐縮ですが、席に限りがございますので、お申し込みはこちらからお願いします。

カジュアルな勉強会の進め方
ゲストが最初に話すのではなく、みんなが先に質問を出し合う・・・なるほど、少人数の勉強会ならこれは回りやすいかも。

IDEA*IDEAからもう一つ。ミーティングで使えるちょっとした話法いろいろ
「あまり時間はないですが、今何を決めますか?」「質問ですか?コメントですか?リクエストですか?」・・・あー確かに自分も使うフレーズがちらほらと。会議で問題なのは「発言しない」人よりも「だらだら話しすぎて要点がつかめない」「何も決まらずに終わる」ことなので、勇気をもって話を打ち切ったり誘導したりしなきゃいけないんだよね。

日の配布部数がわずか30分でなくなるほど大人気の無料ルーズリーフ提供サービス「エコフル」、その仕組みに迫る
ページ下段に広告が入った無料ルーズリーフエコフルというのが大学各地で配られているとか。なるほどなー。自分が当時大学生だったら、文房具にこだわりがあるから使わないかなと思いつつ、カッコイイビジュアルのものだったらむしろ集めに走りそうだ。

2008年10月27日(月曜日) 肌寒くなってきた。

★最近朝晩が肌寒くなったので、朝早く起きて何かしようとしても目覚まし時計を止めたあとに布団の中でぐずぐずしてしまい、結局二度寝していつもの時間、ということが続いている。とりあえず、出したままの扇風機はしまって、もうヒーター出しとくか・・・。

★先日のでるべんの会はコミック専門店「とらのあな」の名物バイヤー・塚本浩司氏を招いて『雑誌はまだ売れる! あきらめるな!――コミック専門店「とらのあな」の挑戦』というタイトルでの熱心なお話をいただきました。いつもよりもコミック出版社、関係者の出席が多く、普段とはちょっと変わった会だったと思います。良質なコミックを生み出す場はコミック雑誌であり、雑誌の拡販に力を入れたいとしながらも「読者が雑誌を買わなくなってきている」「雑誌のブランドが持つパワーが落ちてきている」と語る塚本氏。そのためには「コミックスの発売日に雑誌の発売日を合わせるべき」「最新号の情報を出し惜しみせずなるべく早く書店に伝えてほしい」など、なるほどと思わせる提案も飛び出しました。なお、最後に「出版社の営業の皆さんは、ぜひ編集者の熱い思いをストレートにぶつけてきてほしい、編集部の皆さんは、熱い思いを伝えるのはいいけれど暴走はやめてほしい」という話は、自社で起こっていることも含めてそりゃそうだよな、と思いました。塚本さん、馬場さん、お越しくださった皆さん、誠にありがとうございました。

「S&Mスナイパー」休刊に寄せて 文=安田理央
コミック誌どころじゃない変革を迫られているのがエロ雑誌の世界。老舗SM雑誌の「S&Mスナイパー」も休刊が決まり、今後はWebでの活動を主体にしていくという。こちらの文章はエロ雑誌の変遷と現状もわかり非常に面白い。安田氏が自らのブログでも重ねて書いているとおり、今や広告収入なしに雑誌は成り立たない。無料で読めるWebのほうが、むしろ雑誌のサブカルチャーな精神を受け継ぐものになるかもしれない、という指摘にはなるほどと思う。

Forbes、外圧で雑誌・Web編集部を統合。Forbes.com発行人がトップに
出版社の中で「紙の編集部」と「Webの編集部」を分けるべきか一緒にすべきか・・・というのはあちこちで話題になる課題だ。一緒にすると力が分散するし、分けるとコンテンツや情報の共有化がどうしても進みづらい。私個人的には、編集部は統合し現場編集者は「紙もWebも」両方の仕事をし、編集部内に「Web担当デスク」を紙のデスクと一緒に置く、というのが理想的だと思っている。しかし現実には、編集長と現場数名、みたいな小所帯の編集部も多く、Web専任スタッフを編集部内に置くことはなかなか難しい。

★この方も最近は編集の仕事に追われていて、営業との二足のわらじが大変そうだ。

「本の雑誌」炎の営業日誌
杉江 由次
無明舎出版
売り上げランキング: 26904

 
本の雑誌社のひとり名物営業マン・杉江由次氏の「炎の営業日誌」が単行本になった。改めて読み返すと杉江氏の仕事と本と浦和レッズと家族に対する熱い思いが伝わってくる。Webですべて読める日記を単行本にする、というのはやはり非常に価値のある行為だなぁと思う。それにしても、神保町の東京堂書店で売上ランキングに入っているというのはすごい。皆さんもぜひ街の書店で買いましょう(といいつつamazonにリンクをはる不届き者でスミマセン)。

インサイター:ユニクロの弱点
著名なクリエイターを起用しブランディング展開に熱心なユニクロだが、新聞の折り込みチラシは妙にダサいまま・・・という指摘。メディアに合わせて表現を変えているのか、単に「宣伝」と「販促」とで部署が違うから意思が統一されていないのか。私は後者じゃないかと思うなぁ。

2008年10月23日(木曜日) 地盤沈下。

★またまた大変お久しぶりです。今月はほとんど更新してなくて申し訳ありません。あちこち飛び回ったり喜んだり悲しんだりしてますが、そうは言いながら元気に生きてます。

東京コンテンツプロデューサーズ・ラボのセミナーに出席。テーマがコンテンツプロデューサーを排出するための人材育成についてで、パネリストにも教育関係者の方々が多く出席。正直言って自分が聞きたい内容とはややずれていたのが残念だったが、いずれにせよ様々なコンテンツ業界を横断的に理解し、プロデューサーとしての常識を身につけることは重要なことだと思う。問題は学校教育で何かを教えても、現実はそう動かなかったりして・・・。

★それぞれの商慣習を知る、ということでは以下の本がちょうどよいのでは。

最新コンテンツビジネスのすべてがわかる本
コンテンツビジネス調査研究会
日本能率協会マネジメント 出版情報事業
売り上げランキング: 68692

  
特にエンターテイメント系のコンテンツを取り扱う場合に出てくる、放送、映画、出版、音楽、ゲームといった各業界の最新動向を「企画・制作」「流通・配信」「課金・ファイナンス」「人材育成・教育」「法務・ライツ」の視点から解説。見開き単位でトピックスがまとまっており、入門解説書としては最適。自分が「出版」のところを読むと何をいまさら、という内容ばかりだが、逆に映画業界や音楽業界の動向はまるでわかっておらず、それぞれの業界慣習に気づかされる。

smashmedia: ハブメディア(HubMedia)・プロジェクト始動
bk1、シックスアパート、ブックオフオンラインなどWebマーケティング界で活躍される河野武氏が新たに立ち上げたプロジェクト。簡単に言うと「ちゃんと編集されたコンテンツをネットにあげる」というもので、Webならではのコミュニティ機能を持たせつつ、紙の本を販売できるインフラも整える、というもの。サービスの詳細はわからないので的外れな感想かもしれないが、コンセプトは理解できる、というかそれこそ出版社がやりたいと思っていることだ。本エントリで「本は自分たちで守らないと。残念ながら出版社には守れっこないと思います」と言われてしまうことを、出版の中の人たちは大いに反省すべきだし、逆にココをうまく利用すべきだと思う。

「ブックファースト新宿店」オープン日決まる-東京マガジンセンターも復活
11月6日オープン。都心部の大型出店は・・・これ以降しばらくない。中の人たちはちょうど搬入・棚入れ等が真っ盛りのころのようだ。毎日お疲れ様です。

★わたくし個人が「うまくWebを使っている雑誌」だと感心しているものの一つに日刊サイゾーがある(まぁもともとわたくし個人が「サイゾー」大ファンなのだが)。Web上で本誌の記事をある程度読ませながら更新頻度を高め、かといってシンプルで重くない構成をしつつ、mixiなどに記事提供をばんばん行って自社サイトへの誘導を高める・・・。かなりのアクセス数があるそうなので、おそらく広告収入もある程度は見込めるのだろう。本誌で広告を集めるのがもともと厳しいだけに、Webへ注力するのはよくわかる。と思っていたら、最近になって彼らがサイゾーウーマンというサイトも立ち上げていて、驚くと同時にとても感心した。やってることはまったく同じで、記事のネタ元もサイゾー本誌からだけど、「女性が好きそうなゴシップ記事」を中心に掲載をし、女性向けの広告をばしばし貼り付けている。いやー節操無いといったらそれまでかもしれないけど、自分たちのコンテンツ価値をよくわかっていて、一粒で何度も味わおうというその姿勢が素晴らしい。

フランクフルト・ブックフェア開幕、注目は「電子ブック」
古い記事で恐縮だが・・・「電子ブックの売り上げは2018年までに従来の本の売り上げを超えると予想」されているそうだ。うーん、私自身はそこまで取って替わられることはないと思うのだが。ただ、10年前われわれはインターネットやケータイの普及がここまで進むとは思っていなかった。何が起こるかわからんね。

講談社、モーニング・ツー3号分をWeb上で無料配信
前の号が無料で読める、という太っ腹ぶり。すごいなぁ。

2008年10月8日(水曜日) ケータイ小説はやめておけ。

★久々に書店の偉い方々と話す機会があったのだが「で、アナタは今何の仕事してるの?」と聞かれると・・・答えに詰まる。Webの話をしてもピンと来ないだろうし。しょうがないんで「いやーケータイ小説みたいな本を作ってますよ」と言ってごまかしたのだが(弊社ではケータイ小説にほとんど参入してない)、書店さんがみんな口をそろえて「悪いことは言わない、やめとけ」と言っていたのが印象的であった。やっぱり肌感覚としてもそうなんだ。

でるべんの会勉強会:『雑誌はまだ売れる! あきらめるな!』――コミック専門店「とらのあな」の挑戦
というタイトルで次の勉強会を開催します。10/23(木)19:00~水道橋にて。最近おかげさまで多数の方にお越しいただけるようになり、満席で予約をお断りするケースが出てまいりました。お早めにお申し込みください。講師となる塚本さんとはすでに打ち合わせをいたしましたが、次々と事例やアイデアが飛び出してきて大変刺激的でした。コミックのみならず、他の雑誌、書籍を扱う方々にも参考となるのではないでしょうか。

iPhone v2.2アップデートで絵文字・ストリートビュー対応?
私が会社で「iPhoneの企画考えたい」と口にするとみんな「何をいまさら」という顔をする。世間一般的にはiPhoneは「マニアだけが買った使いづらいおもちゃ」ということで認識が固まってしまったのだろう。しかし、iPhoneの長所はソフトウェアを変えていけば使い勝手が良くなるという点だ。ここが箱庭的に作りカスタマイズがしづらい日本のケータイと違うところだ。いま落ち着いたからと言って失敗、というには早すぎる。

★ところが、がぜんiPhoneよりも魅力的に見えてしまうのがイー・モバイルの「Touch Diamond」だ。これもスマートフォンの一種だけど、もうなんていうか、フォルムに惹かれる。カッコイイ! デモ機を触って一目ぼれしてしまった。だけど、すでに私イー・モバイルに契約しているので・・・そっちを解約して違約金を払ってこっちに新規入会して、ってやってたらいったいいくらかかるんだと。涙をのんでがまん・・・

米新聞の広告,オンライン売上の伸びが急に鈍化
ということは、日本でも数年後にはそうなる!? こりゃまずい!

ソーシャルメディアキャンペーンの半分は失敗
米国調査会社の「予想」だからまったくの推測とはいえ・・・事実、Web2.0でCGMだのSNSだのって企業が仕掛けるキャンペーンの多くは、結局話題づくりすらできず失敗しているもよう。ケータイ小説を商品キャンペーンと結びつける例だって、はたしてそれで集客できているかどうかは疑問。

ピクトレイン
JR東海関連会社が手掛ける新たなキャラクターグッズ。駅の看板等に使われている絵記号(ピクトグラム)が好きな人ってすごく多いと思う。ピクトさんコースターとか普通にほしい!ひとつ残念なのは、ここで紹介されているピクトグラムがどれも「転載不可」となっていること。できればWeb上でユーザーが自由に使えるフリーのピクトグラム素材を配布してほしい。そうすりゃもっと広まるのに。

2008年10月2日(木曜日) あぶない。

★仕事が立て込んでいると昼飯を食うことすら忘れてしまうのだが・・・さすがに昨晩は腹を減らせ過ぎたのか、21時を回ったところで突然体温が下がり手が震えだし・・・こりゃまずいと思って別フロアの編集部に置いてある夜食用の弁当をかっぱらって(3人くらいに見つかったがそれどころじゃない、命がかかってるんだ!)、栄養ドリンクと一緒に慌てて食うという一幕。まーでも、仕事の面ではひとつ大きなヤマを超えたので、精神的にはとても満足。まだまだ長い道のりが始まったにすぎないのだが・・・。

★積読、乱読ばかりでちゃんと読みとおせたものがないのだが・・・ご献本いただいたものを紹介してお茶を濁しておこう。

ビジネス仮説力の磨き方 (グロービスの実感するMBA) ビジネス仮説力の磨き方 (グロービスの実感するMBA)
グロービス

ダイヤモンド社 2008-09-12
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先輩編集者より頂戴し拝読中。「仮説が重要」とはいろんな本に描かれているが、本書はドラマ仕立ての物語と解説のバランスがちょうどよく、非常にわかりやすい。グロービスと言えば経営・MBAスクールというイメージで難しい本なのかな、と思ったらまったくの杞憂だった。ちょっと最近の自分は、仮説も検証もせず、「とりあえずはしってみよう」状態だったかもしれない・・・反省。

日本を変えた10大ゲーム機 (ソフトバンク新書 87) 日本を変えた10大ゲーム機 (ソフトバンク新書 87)
多根 清史

ソフトバンククリエイティブ 2008-09-17
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担当編集者より頂戴し拝読中。「ポン」からPS3まで、ハードの変遷からゲーム史をとらえる一冊。多根清史氏の著書にしては主観があまり見えずファンからすれば物足りない気がするが、これはこれで新書ぽいからいいのだろう。著者インタビューもご参照のこと。ゲーム業界好き(決してゲーム好きではない)の私としては、任天堂・山内溥やSCE・久夛良木(くたらぎ)健などにつっこんだ評伝、批評を読みたいところだ。

新刊JPニュース:「夏の100選」はどうやって選んでいる? 「新潮文庫の100冊」の舞台裏を聞く
毎年1月に昨年の反省会をしながら次の100選を選びなおし、だいたい20~30%が入れ替わるという。へー。

「ケータイ小説」ブーム終わったのか ベストセラー減りドラマ「恋空」大コケ
さすがに柳の木の下にどじょうが無限にいるわけではないが・・・流行りだっただけに、廃れるのも早いということか。そこで売れるモノがなくなることを嘆いたり、ほら見たことか手をたたいたりする前に、せっかく「本を買う」という行為をとることができた若年層に対し「やっぱこっちの本のほうが面白いよね」と導いてあげるのが、大人の出版人の務めなのだろう。自分たちの食いぶちのためにも。

日経コンピュータ誌のライバルか!?事前登録選考方式で無料で送られるITマガジン「IT Leaders」が創刊
事前に属性情報を入力しアンケートに答えると無料で雑誌が送られてくるという・・・広告モデルなんだろうけど、そんな太っ腹な方法あるの?と思ったら、こういうのをコントロールド・サーキュレーションといい、フリーペーパーの配布手法の一つとして存在するらしい。へー知らなかった。でも、そう簡単にいかないらしいということも見つける。無料でもいらないものはいらないもんな・・・。とりあえず上記の雑誌は申し込んでみました。ちょっとシステム技術者寄りだけど、一部使えそうなテーマもあったので。

フリペ減、フリマガは増――ABC協会
無料誌にからめてもう一ネタ。雑誌広告市場が縮小している中でフリーペーパーの市場は伸びている、というが、細かく見るとフリー「マガジン」は伸びているがフリー「ペーパー」は縮小気味とか。でも確かに、タブロイド版の新聞形式みたいなものは読むところが少なくて、ちゃんと雑誌ぽく製本されたもののほうが手に取りやすいような気がする。

扶桑社、40・50代女性向け新雑誌でWebサイトとクロスメディア展開
「雑誌とWebのクロスメディア」と出版の人たちはよく口にするが、その大抵は「既存雑誌にWebをくっつける」ことだったりする。Web側からすれば、「すでに売れてる雑誌のブランドを使ってWebの認知度をあげたい」と思うだろうし雑誌側からすれば「編集部は紙を作るので手一杯」になるし。そんな中で、出版社自身が創刊当初からある規模のWebを立ち上げて独立採算を狙う、というのはけっこう珍しいこと、かも。

イギリス・ガーディアン紙が選ぶ、世界の独立系本屋ベストテン!
突如古い記事だが・・・英ガーディアン紙が選ぶ世界の個性派独立系書店ベスト10の中に、京都の恵文社一乗寺店が入っていたという。他の世界各国の書店も・・・写真で見るだけでもその存在感に圧倒。言葉はわからなくても行ってみたいなぁ。
新宿駅最後の小さなお店ベルク 個人店が生き残るには? (P-Vine BOOks)
おばあちゃんの小さな本屋さん
以前も本欄で紹介した『新宿駅最後の小さなお店ベルク』にまつわるかなりイイ話。本書を購入するなら街の小さな書店で注文しよう、と思った筆者は・・・。
ぜひ苦境が続く街の中小書店の方々にこそ、本書を読んでもらいたい。もちろん、条件はまったく違う。だけど、チェーン店とは違う個人経営店ならではのお客との関係の作り方など、共通する商売魂はきっと多いはずだ。そんなわけで、でるべんの会でも、本書にまつわるテーマの勉強会を画策中。もうじき発表できると思います。