diary

2009年5月19日(火曜日) ブックオフ株、クックパッドのビジネス、SonyReader・・・etc.

★前回告知したでるべんの会勉強会は、いつにないお申し込みをいただき、すでに〆切らせていただきました。誠に申し訳ございません。偶然にも大阪屋と栗田、共同物流センター計画を発表というニュースが出ましたが、これはたまたまです。

ブックオフ株3割取得 出版不況背景に講談社、小学館、集英社など
さすがに業界に衝撃の走ったニュース。大手3社を中心にコミックを出している出版社は反ブックオフの姿勢を貫いていた。「ブックオフの資本が入った青山ブックセンターでは、古語サイン会などの協力は一切しない」と明言した幹部社員がいたという話もあるくらいで。しかしこれによりまったく正反対の関係となってしまったわけだ。現場社員の混乱は容易に想像が付く。この狙いが何かという憶測があちこちで飛び交っているが、どれも決め手に欠ける。実際はあまり戦略的な意味合いではなく他国・他業種のファンドに買収されることを危惧した防衛的な意味合いでの資本参加、と見る向きも大きい。

★いずれにしても、ここにも大日本印刷の名前が。主婦の友社、丸善、ジュンク堂書店、図書館流通センターに加えてブックオフの株式取得も決まり、まさに一大出版コングロマリットを形成しようとしている。これは単に「凸版印刷を追い越すため出版界での優位を示す」だけでの行動なのだろうか。

★男性には未だあまり知名度がないが・・・ほとんどの女性とネット業界の人は知っている、巨大サービスの秘密。

600万人の女性に支持されるクックパッドというビジネス (角川SSC新書)
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午後4時、30代女性の4人に1人がcookpadで今晩のおかずを検索している・・・600万人の会員数を誇り、専門サイトとしては随一、Yahoo!などのポータルサイトと比較してもベスト10に入る規模に成長したレシピ投稿・検索サイトのヒットの裏側を解説する一冊。世の中にはレシピがあふれ、似たようなサービスを行っているサイトも山のようにある中で、cookpadが成功してきた要因は、使いやすさの追求と確固とした理念にあった。検索精度を上げるためのこだわりから広告の中身に対する配慮まで、Webサービスを手掛ける人ならこりゃすごいと思うことばかり。しかしそれでも、利益がきちんと出だしたのは7年以上たってからだというから大変だ。

ソニーvsアマゾン“異種格闘技戦”に身を投じた男
日本では失敗した電子書籍専用端末だが、米国ではKindleと並びソニーの「Sony Reader」が普及しつつある。先般の日本出版学会でSony Readerの技術部門を手掛ける方に話を聞いた。オフレコなのでその中身は詳しく書けないが、日本の電子書籍端末はむしろ品質が高く、読みやすさという点ではLiblieなどのほうが圧倒的に優れているという印象を受けた。これはやっぱり、刊行ラインナップの問題とか、日本人の「本」という所有物に対する感覚の違いとかに起因するのであろう。

秋田書店と大日本印刷、休刊になった雑誌の記事をDSvisionや携帯電話で配信
昔の雑誌を配信する時に問題となるのは権利者への許諾をどうするか、ということにある。雑誌の細かい執筆者一人一人に連絡を取るのは膨大な手間がかかるし・・・そのあたりはどうしているんだろう?

メールでのミスを減らすために心がけていること
久々になるほどと思ったLifeHack。日付や固有名詞を間違えないようにするのは当然だが、添付ファイルのつけ忘れってすごくよくやってしまうもんで・・・今後心がけてみます。

GENOウイルス爆発的に流行!インターネットもパンデミックに。
世の中は新型インフルエンザの国内感染ニュースで大騒ぎ中だが、インターネットの世界でもウィルスが蔓延中とのこと。こちらも予防が大事です!

2009年5月12日(火曜日) 中堅取次の現場から、KindleDX、中学生はコーヒー牛乳でテンションあがる・・・etc.

★引越しも一息つき、インターネットにもつながるようになりました。徐々に復活します。

でるべんの会6月勉強会企画:「中堅取次の現場から見える、出版流通の現状」
ちょっと間が空いてしまいましたが、今回のテーマは「取次」です。業界3位の大阪屋、4位の栗田出版販売の両社から、営業で働く方々よりお話をお伺いします。今回は現場の立場から見た率直なお話を聞かせていただくということで、オフレコでの会とさせていただきます。その旨ご理解、ご協力のうえお申し込みいただければ幸いです。

★米国amazonがKindle DXを発表。新聞・雑誌や図版のある教科書等で利用できるよう大型化し、PDFファイルの閲覧も可能になった。ここまで大きいとさすがにどこでも持ち歩いて、というわけにはいかないだろうが、新聞・雑誌の新たな配信手段としては注目できる。

★ニュースはパソコンで読めるからいい、と思う人も多いだろうが・・・昨今は広告市場の冷え込みもあって、かの米国ですらマードック氏が「コンテンツ無料の時代は終わる」と述べるなど、有料化への期待が高まっている。とはいえ、今まで無料で読めたものが有料に、というのは難しい。だったらパソコンでの課金には見切りをつけ、新たなデバイスで新たな課金モデルを作るべき・・・という方向に向かうのはまぁわかりやすい。

メディア・パブ:景気回復後,ネット広告は再び急成長に
米国での見通しだが、日本ではどうだろうか。すでに「ネット広告なら何でもいい」という段階は過ぎているので、おカネは集まるとしてもより淘汰が進むのではないか、とも思われる。

ニッチ向け雑誌出版社のFuture、DailyRadarで多数のニュースアグリゲーションサイトを構築
ちょっと気になる記事なのでメモ。というのは、私は今まで「出版社がWebを運営するなら、やはりコンテンツの質で勝負すべき」という考えを持っていたのだが、それにこだわる必要もないのかもしれない、と考えが変わりつつあるからだ。『新世紀メディア論』の中で小林弘人氏は情報には「フロー」と「ストック」の他に「エコー(こだま)」というべきタイプのものが現れ始めている、と指摘していた。別のサイトから情報を引っ張ってきてそのまま掲載する、というのはやり方と場合によっては著作権侵害にもなるし、そもそもコンテンツホルダーからすると苦々しい存在だ。だけど、Webの世界においては明らかにそういうサイトは検索に強く、人を集めており、なおかつユーザにとって情報が集まり使いやすいサービス、ということになる。だったら、集約の基準に特異性を持たせ、ある種の編集方針を持つことで、アグリゲーションサイトにもメディアとしての個性が出せるのではないか、と思っている。まだ具体的に何をどうしたら、というのはないのだが。

★くそう、久々にくだらん本を読まされた。電車の中で笑いを抑えるのに必死だったがな。

中学生はコーヒー牛乳でテンション上がる
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オモシロ顔だけで一日笑い転げられ、自分はジャージでどこでも行くくせに授業参観で母親が着てくる服に赤面し・・・若手コント作家として日々現役中学生たちと接する機会の多い著者が、その奇特でバカな生態をつぶさに著す。どのエピソードも大げさに大バカすぎて、どう考えても全部フィクションなのだが、根底に流れる「中学生らしさ」はまさに描かれている通りだと思う。ホント、中学生のころって恥ずかしいよね。思い返しても苦笑いと冷や汗が・・・。

★中学生の時に誰でもやることと言えば下ネタ用語を辞書で引いてみる、というのがあるが・・・それに関連してgoo和英辞典による「ペニス」の用例が酷すぎる件がネット界隈でちょっと話題に。紙の辞書にもこんな用例が並んでいるのか!? だとしたら確かに「これはひどい」・・・!

2009年5月1日(金曜日) 雑誌のiPhoneアプリ、手塚先生、少年リーダム、日刊サイゾー・・・etc.

★明日より本格的に引っ越しをするため、ネットにつながる機会が減るかと思います。新居ではフレッツ光を申込み、早ければ連休中にはつなげられるはず・・・だが。

主婦の友社「デジタルef」株式会社ヤッパと共同でiphoneアプリ開発
廣済堂、「Hanako WEST」をiPhone&iPod touchアプリ配信開始
続けて女性誌2誌でiPhoneアプリ開発が行われているが・・・iPhoneって男性サラリーマンユーザが多い印象があるんだが、そこに女性誌で参加する意味はあるんだろうか。両誌ともデジタル雑誌化が進んでいて、簡単に作れるという制作側の事情もあったのだろうが。

★最近は本当にマンガ界回顧ものが多い。マンガ産業の衰退とともに昔語りが始まったか・・・?

手塚先生、締め切り過ぎてます! (集英社新書 490H)
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手塚治虫のチーフアシスタントを長年務めた著者が語る数々の手塚伝説。というか数十年にわたって〆切との格闘の歴史だということがよくわかる。本書を読んでいたら、自分なんかまるで余裕だなぁと思い知らされる一冊。

「週刊少年ジャンプ」の裏側を描いたノンフィクション「少年リーダム」
『コミックバンチ』で80年代ジャンプの歴史を描く連載がスタート。作画は「よろしくメカドック」の次原隆二とくれば・・・往年のファンにはたまらないだろう。今の若者、子供には何のことやら、って世界かもしれんが。

★ところで、上記にリンクした日刊サイゾーの担当者と会う機会があったのだが、やはり非常に刺激的であった。出版オリエンテッドの人がWebの世界に入ると、つい出版の常識をWebに強引に当てはめてしまおうとするが、サイゾーの場合はきちんと「ネットにはネットにあったスタイル」を追求していて潔い。話していてなるほどなと思ったのは「広告媒体としてネットメディアを成長させようと思ったら、少人数でできるのは月間1000万PV程度が限界で、それ以上は費用対効果が高くなる。だったらもう一つ、別のWebメディアを立ち上げてそちらで1000万PVを稼ぎに行くほうがいい」という話。確かに、ポータルサイトに張り合おうとしたら人もカネもとんでもなくかかってしまうもので。

電子書籍というパラダイムの終わり
Googleのブック検索問題から私は距離を置いているのだが・・・そもそもコレによって「書籍のデジタル化」は当たり前のように加速し、「書籍」と「電子書籍」の区別がつかなくなってくるのではないかと思う。「時計」という言葉の中にはすでに「デジタル時計」も「アナログ時計」もあって、すでにどちらもあまり区別なく「時計」と呼んでいるように。「電子書籍という事業」を預かる者としては、今後の展開がまったく読めず・・・不安、というよりはやっぱりわくわくしますな。

電子ペーパーは、印刷メディアの救世主か?
アマゾン・キンドルにみる新聞と雑誌の未来

本記事に出てくる「Dream Reader」という構想は、まさしく私の考える「雑誌の未来」と激しく合致する。つまり考えてることはみんな同じということだ。しかし、「唯一の危険は、この機器が商品化され、使えるものになるまでに、さらに多くの報道機関を失うかもしれない」という意見にも納得する。この次世代メディアができるまであと何年?それまでに、あと何誌の体力が持つのか?