2010年5月25日(火曜日) 文学フリマ見学、電子書籍部、『マンガ脳の鍛え方』・・・etc.
★先週金曜日。Twitterでなんとなく親しくなった他出版社の方々を交えて茗荷谷で飲み会。年齢も居住地も、出版社内でやってる仕事も非常に近い人たちが集まったので、話が盛り上がる盛り上がる。編集出身で現在デジタル系の仕事をしてる、という所も一緒なので、日々の細かな仕事のことから大局的な話まで、「なんだみんな同じようなこと考えてるんじゃん」と思うことだらけだった。皆がみんな同じこと考えてるとラクなんだけどねー。
★先週日曜日。朝起きると複数のフォロアーが文学フリマのことをつぶやいてたので、興味を持って覗きに行ってみる。実は文学フリマを見にいくのは実に第一回青山BCで開催されて以来なので、そのころの規模を想像しながら会場に向かってみたら、すごい数のブースが出ていて驚いた。私はコミックなどの同人誌即売イベントを見に行ったことがないので比較ができないのだが、小説や評論などの文字ものだけでもこんなに参加者がいるものか。改めてインディーズでモノを書いている人達の層の厚さを実感した。ただ、ここで初見でモノを見て買う難しさもあり、結局何も買えなかったのだけど。
★その中で異色だったのが電子書籍部~未来のテキスト~。米光一成氏らが運営する同サークルでは紙の本を一切取り扱わない。読者は欲しい本を購入する際にはその場でお金を払い、メールアドレスを登録すると、後でそちらに電子書籍データが届き、PCやiPhone、kindleなどで読むことができる、というものだ。面倒な決済システムでありながら物珍しさも手伝ってか、一日で1,453冊を販売したという。
★かなりの間積ん読にしてた本書をようやく手に取る。
集英社
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少年ジャンプ創刊40周年企画として、ジャンプで活躍する/していた第一線のマンガ家たちにマンガ制作のための発想術からテクニックまでをインタビューしまくった力作。ゆでたまご、鳥山明、荒木飛呂彦、冨樫義博、秋本治などなど・・・総勢35人の発行部数を合わせたら何億部になるんだろう、というほどの豪華メンバーが、アイデアの発想術、ネームの書き方、キャラクターの作り方、週刊連載をするための心構え・・・などのテーマを語りつくす。マンガ家を志す人はもちろん、マンガ好きの方なら気になる言葉が満載の一冊だった。
★本書や『バクマン。』を見ていると、ジャンプ編集部は最近自らのマンガ作りの手の内をかなりさらけ出し始めている感じがする。個人的な推測だが、これは編集部による「若い人の中から多くのマンガ家が出てきてほしい」という思いの現れではないかと思っている。マンガが子供の娯楽の主食ではなくなっていると言われてから久しい。同人誌で満足してプロの書き手を目指さない人も多くなっている。あるいは、編集側のほうも、モノ作りのノウハウが共有されない状況が続いている・・・といった中で、マンガ業界の第一線を走るジャンプがこのような啓蒙活動をしているのは非常に興味深い。
★いろんな雑誌や書籍で「電子書籍」をテーマにした企画が行われている。それらを紙で読むのもなんとなくヘンだなぁとは思うんだけど、その中にあって週刊SPA!の今週号が「 [出版崩壊!?]現場(秘)レポート iPad、キンドルの登場は福音か破滅へのカウントダウンか?百年に一度の大転換を迫られる我が業界の知られざる内幕を教えます」ってのが・・・いかにもSPA!らしいというか何というか。自ら手の内をさらけ出しまくった企画がすごい。なるほどこうひねってきたか、面白いなぁ。でもって、読む人が読んだら「この雑誌の話、イニシャルにしてるけどどう考えてもアソコだろ」ってのがわかってしまうよね・・・。
★ツイッターが広告ツイート禁止を宣言。昨日発表のオプト社「つあど」なども対象に
広告サービスを作ってた企業からすると「禁止するなら先に言ってくれよ」というのが本音だと思うが・・・配信の根幹がTwitterという「お釈迦様の手のひら」に握られている以上、そちらが規約を変えたら従わざるを得ない、のがツラいところ。しかしこれは対岸の火事でも何でもなく、今後AmazonやGoogleやAppleに電子書籍流通の多くの割合を握られるのが必至な日本の出版業界も同じ状況に陥るだろう。事実、AppStoreの電子書籍に関しては書籍の単体アプリを締め出すという噂もある。おそらく今後、電子書籍はiBookStoreという別コーナーでの展開をさせたいAppleの意思が働いてたのでは、という推測が成り立つのだが・・・ここまで独自フォーマットで電子書籍を作ってきた企業からしたらがっくり来る話だわな。プラットフォームを独占されることの怖さはここにあるわけで、コンテンツ企業側としては、大きい流通企業とはきちんと付き合いながらも、一方で常にオルタナティブな流通を考えておかねばならん、と思う。










