diary

2010年6月24日(木曜日) 「本の学校」、光ポータブル、パブー、DReader説明会、「100均フリーダム」・・・etc.

★本日から半袖ワイシャツ解禁にしてしまいました。

「本の学校 出版産業シンポジウムにお申し込みいただきました皆様、誠にありがとうございます。予約はまだまだ受け付けておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

★本日はiPhone4の発売日だが、私はいま持っている3GSのアップグレードで我慢。マルチタスク機能とアプリのフォルダ管理が可能になって、以前よりも動きがきびきびするようになった・・・時点で今のところは十分満足。たぶん2011年7月に出るであろう(と勝手に予測している)iPhone4S(仮称)のころには機種変更しようかなと思うけど。

★ずっと気になっていたモバイルWiFiルータ「光ポータブル」を予約。予約開始してることを知らず、〆切一時間前にぎりぎりで申し込んだ。今はイー・モバイルのD22HWを契約していてまだ1年以上縛りがあるので、こちらのSIMカードを挿して使おうと思っているところなんだが・・・うまくいくだろうか。しかし、最長で1か月待ちってのは・・・ずいぶん待たされるなぁ。でもがまんがまん。

電子書籍の制作と販売ができるサービス「パブー」
要注目。いや、ブログサービスと有料メルマガの仕組みをくっつければ似たようなサービスはインターネットの世界にはいくらでもあるんだけど、ePUBやPDFフォーマットの「電子書籍」にできてiPadやKindleでも読める、といったところが流行りっぽくて良い。Web蔵書管理・共有サービスのブクログが手掛けているという所もポイント高い。自分でも何か書いてみようか、というよりは自社でやってる書き下ろし電子書籍をこちらでも卸して売ってみるというのはどうか。

電子書籍のパピレスが上場、買い殺到で値付かず
パピレスがJASDAQに上場。1995年上場の老舗電子書店だが、満を持して拡大路線に、というところだろうか。ここ数年間の電子書籍市場はケータイコミックが牽引しており、その中で文字ものを主力としているパピレスは売り上げこそ大きいもののあまり目立たない存在になっていた。それが今年急に沸き起こる「電子書籍元年」の波に乗ってきた、というところだろうか。でも、これだけ利益が出てるなら、もうちょっと出版社への戻し正味は多くても・・・いいんじゃないかな・・・と誰にともなくつぶやいてみる。

★繰り返しになるが、とにかく「iPadの衝撃」はすごかった。著者が次々問合せをして「はやくiPadで出してくれ」と頼んでくるわ、今までまったく関心を持たなかった広告営業の人たちが乗り込んでくるわ・・・えーと、今までPCやケータイでやってることと変わらない、んだけどね。むしろiPadの普及台数を考えると、大して売れないと思うんだけどね。でも、この熱気は重要なので、のぼせない程度にあったまった状態で走り続けたいもんだ。

ダイヤモンド、出版社向けに「DReader」使う電子書籍作成ソリューション
非常に売れ行きが好調なダイヤモンド社のiPhone版電子書籍。その読書環境を実現している「DReader」が外部出版関係者向けに公開されることとなった。その発表会には私も赴いたが、確かに中小出版社や編プロの人たちが多かった模様。私がとにかく感心したのが、本プロジェクトは書籍編集者が自分たちでプログラマと直接話しながら構築を続けているということで、どうやら流し込む本文テキストのタグ付け等も自分たちでやっているらしい。「やっぱり編集者は、自分たちでモノづくりをしたほうがいい、気合いがあればできる」と何度も繰り返していたのが非常に印象的であった。

★大きな出版社になると、デジタル事業に関しては専門の部署ができており、電子書籍事業はそちらが手掛けることが多い。また、社内でも分業体制を敷いて、編集者はコンテンツを作るまでが仕事で、そのあとの電子書籍データを作成したり流通させたり、といった仕事は専門部署に任せることが多い、と思う。私自身、「編集者にはコンテンツを作ることに集中してもらいたい、その他の雑務はこちらが引き受ける」というつもりで社内の体制を作ろうと思っているのだが、ダイヤモンド社の説明会を聞いて、目からウロコというか・・・なるほどなぁと思った。私自身、社内でWebサイトの構築を推進する際には頑として「紙の編集部が関与しないWebサイトは作りたくない」という思いを持っていた。編集部にはその分労力がかかってしまうのだが、「紙もWebも自分たちの媒体だ」という認識でいなければ意味がない、と思っていたので。考えてみたら、電子書籍だって同じことだよな。

人気化粧品メーカー・ロクシタンと提携する、集英社の「不安と恍惚」
s-womanがロクシタンと提携し、Webと雑誌を組み合わせたL’OCCAをスタート・・・させたのだが、紹介していた上記記事が手厳しい口調。「だが、突きつめれば「カスタム出版に毛の生えたようなもの」といった声が聞かれるのも当然だろう」って。ここ最近、電子書籍のブームに押されてか、出版社の手掛けるWebメディアに対する評価は低い。Web広告収入は市場としては伸びていても出版社の手掛けるサイトに出広が決まるわけではなく、ECサイトも大きな投資を回収するのに苦心しているところがほとんど。Webメディアとして本当に利益を出しているところは一握りなのではないか。しかし、私としては今後も「コンテンツのクオリティがしっかりしたWebサイト」に対するニーズはまだまだ高まると思っている。すべてがCGMになるわけではない。そこに出版社がいられる余地があるのではないか。

★最近思うこと。自分にとってのクライアントは「デジタルメディアのことがよくわからない編集者」なんだな、ということに気づいた。自分自身が企画を立てたりコンテンツを作るわけでなく、編集者の制作作業をデジタルの側面からサポートしていきたい、と思っているわけで・・・・・・そうなると、私としては出版社の編集者が誰もがみなデジタルメディアでのコンテンツ制作をストレスなく行えて柔軟に動き回れるようになると、自分の仕事があがったりになる(笑)。だから私としては、編集者の皆様方には、実はあまりデジタルには詳しくなってもらっては困るのですな(笑)。

★珍しくビジネス本、ネット解説本以外を。ジャケ買いしました。

100均フリーダム
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内海 慶一
ビー・エヌ・エヌ新社
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100円均一ショップに並ぶ商品の中から「なんじゃこれは!?」と言いたくなる商品の数々をオールカラーで解説。なんか、ちょっと懐かしいほどに正統的なサブカル本だった。こういうのまだちゃんと本になるんだ。売れてほしいなぁ。紹介されてるざっくりしすぎたデザインの数々。何の動物かまったくわからない形状の動物のおもちゃや、意味不明の漢字がびっしりと周囲に書かれてるフォトスタンドなど・・・著者は繰り返し「企画会議を通ってこの商品が出たとは思えない」と驚嘆する。質もめちゃくちゃで、おそらく中国あたりから何も考えずにまとめて購入してきたもんなのだろうな。しかし、本書からはマーケティングでは生まれない、突飛過ぎるがゆえに現れる独特の世界が垣間見える。

★そしてそれは、まさに「本の世界」そのものがそうだったんじゃなかったかな。市場が縮小しマーケット主導となった出版市場からは、このようないい意味でも悪い意味でも型破りな商品はもう生まれないのかもしれない。

2010年6月10日(木曜日) 今度はiPhone4ショック&京極ショック・・・etc.

★まずは告知から。「本の学校 出版産業シンポジウム」が今年も7/10(土)に開催されます。今回のメインセッションのテーマは「本の消費現場で何が起きているのか?」と題し、仲俣暁生氏をコーディネータに、そしてパネリストは印刷博物館館長の樺山紘一氏、講談社で「ファウスト」等を手掛けた異端の編集者・太田克史氏、丸善お茶の水店店長の草彅主税氏を迎えてお送りします。午後には「人文書」「取次」「古書併売」「デジタル」をテーマにした分科会と、講演会が開催されます。私も本シンポジウムの運営協力を行っております。東京国際ブックフェアと合わせて、ぜひとも奮ってご参加いただきますようお願い申しあげます。

★iPadの感動冷めやらぬまま、iPhone4の発表に大騒ぎ。iPadは非常に新しい存在のデバイスだが、まだ自分の生活のどこに密着するのかがよくわからない。しかしiPhoneは、私の生活の中には完全に定着しており、なくなっては困る存在になってしまっているので、こちらの進化は非常に気になるところだ。で、私にとっての一番のポイントはマルチタスク機能とアプリのフォルダ管理、そして何よりBluetoothで外部キーボードが接続可能になる点だろう。これなら、外出先のメモが簡単になるし、よりevernoteの活用も進むだろうな。というわけで、とりあえず今持ってるiPhone3GSをiOS4にアップグレードするだけでがまん。

★そしてもう一つ気になっているのがモバイルWiFiルータ「光ポータブル」の動向。現在私はDoCoMoのケータイとiPhoneとイー・モバイルの通信機器を持っている。イー・モバイルの契約がまだ1年半残っているので、いまポケットWiFiに機種変更しようとすると、解約手数料が3万円くらいかかってしまってもったいない。そこで、自宅でフレッツ光を契約しているので、上記のWiFiルータのSIMフリーモデルを契約すれば、イー・モバイルのSIMカードを挿すことで乗り換えができるんでは・・・という思いなのだが。そんなにうまくいくのかどうか。

★出版社で電子書籍やデジタル関連の担当をしてる人たちは、ここ最近の動乱を「iPadショック」「京極ショック」と呼んでいる。京極夏彦氏が新作『死ねばいいのに』をiPad、iPhoneで同時発売をしたことを受けて、今や著者やデジタルに見向きもしない編集者から「で、オレの本はいつiPadで出るの?」「早く自分の本をiPadにしてほしい」という問合せが殺到し、急に仕事が増えてどたばた・・・という状況になっているのだ。しかしながら、あれだけ売れてる米国ですら200万台というハードの普及状況の中では、そんなにコンテンツがたくさん売れるわけではない。まぁせいぜい都心に大型書店が一つ増え商圏が変わった、くらいの認識でしかないだろう。いくらなんでもトーハンや日販がなくなって代わりにアップルが、というほどの規模ではない。

★ここでも繰り返し書いてるが、amazonが日本の書籍出版市場に与えている影響力って全体の10%程度だろう。10%ということは、ここまで物凄い勢いを保ったamazonですら、せいぜい業界3位の取次、大阪屋程度、という言い方もできるのだ。小売や版元というレイヤーで見るととんでもない巨大企業だが、プラットフォームというレイヤーで観察すると、やはりまだまだ紙の流通の市場規模はとても大きい。

2010年6月2日(水曜日) 本日はiPad一色で。

★iPadかわいいよiPad。

★というわけで、カイシャの経費で購入したiPadを、さも自分のものであるかのように使い倒しているのだが、やっぱり「なんだかわからないが新しい楽しいもの」という感覚がとても強くて、いじっていてとても楽しい。不満や不便なところは色々あるけれども、それを補ってあまりある魅力があるよねぇ。うふふふ。

★普段Webやデジタル機器に関心を持たない人が「iPadどうなん?」と集まってくる。iPhoneのときに比べると明らかに多い。そんなときに私が鼻をふくらませながら皆に見せているアプリはこちらである。

元素図鑑: The Elements in Japanese
 理科の授業で習ったすべての元素が立体的なビジュアルや豊富な解説ととともに紹介される。とにかくカッコイイ。子供の時にこんな図鑑を持ってたら、絶対に価値観が変わってたと思う。「気持ち悪い」という人もいるけど、たいていの人はこのビジュアルに圧倒される。

STAR WALK
 iPhoneでも愛用しているけど、iPad版の画面の大きさはやはりすごい。「教育」カテゴリに入っているが、女子に見せるにはぴったり!(笑

Soundrop
 これもiPhone版あるが・・・一定の間隔で落ちてくる白い球を、自分で自由に線を引いてバウンドさせ音を奏でていくというメディアアートぽいアプリ。偶然できる複雑なリズムがとても楽しくて、気づくと延々いじってしまう。ゲーム系アプリよりもこちらのほうが皆楽しんでくれる、と思う。

Popular Science
 雑誌系のアプリは日本・米国問わず一通り落としているのだが、デザインの斬新性ならやはりコレ。背景画像と本文が別のレイヤーになっていて、本文だけスクロールさせる表現方法は絶対に紙ではできない。他には「TIME」「WIRED」あたりを見せている感じ。

東京カレンダー 5&6月号+東京情緒食堂 美味しい地図帳
 動画が挿入されてて派手なのは「GQ」「VOGUE」や「OZマガジン」などだが、YAPPAのビューアを用いている雑誌アプリは通信環境がないといけないため、時にもっさりした動作になってしまうことがある。そのため、短時間で皆に見せるときは「東京カレンダー」が良い。こちらはダウンロード型なので、環境に依存せずサクサク動く。

yubichiz(ゆびちず)
 実はこれはAPP STOREで配られていないYahoo!による実験的Webアプリ。地図上を指でなぞることで、ルート検索などができるものなのだが、地図そのものを画面で触ると非常に使い勝手がよくiPadにはオススメ。私はこちらをホーム画面にブックマークしてアプリのアイコンのようにして置いている。

★一通り見せた後にiPadを渡して自由に触ってもらうと、たいてい皆はよくニュースで放映されるときに使われたAliceや、産経新聞HD、そしてiBooksを開いてみて「あーやっぱり読みやすいね、これなら読めるなぁ」としきりに感心する。やはり報道の成果もあって「iPad=本や新聞を読むもの」という意識が強く働いているようだ。

★そして、一通り触った後に出てくるネガティブな発言はだいたいこちら。特に2番目の指摘は女性から多い気がするなぁ。

◎「重い」:見た目より重い、重心が安定しなくて落としそう、片手で持つにはキツイ、といった反応が大半。
◎「指紋が目立つ」:指紋が目立ってイヤという人が多い。保護シートか何かを貼れば解決するのか?
◎「目が疲れる」: 特に書籍系アプリを見せると言われる。雑誌を見せたときはあまり言われないが。

★あとは、Safariを開いてWebサイトを一通り見せた後に「iPadだと、ウチの会社のWebサイトは正しく表示されないんです」と言って、Flashを用いたページを見せ、「iPadが全盛になっちゃうと、多くのWebサイトは作り変えなきゃいけない」話をすると、編集部の人や偉い人は「またWebサイトにカネ使わなあかんのか」という嫌な顔する。ああお願いしますApple様、FLASH対応してください・・・少なくともウチのWeb制作スタッフはちょっと青ざめてるよ・・・。

★そして仕事上でも一気に電子書籍・電子雑誌に関する問合せが増えてきた。編集部からの問合せ、著者からの問合せ、そして様々な「iPadでひと儲けしませんか」系の売り込み営業電話・・・今まで電子雑誌や電子書籍の仕事をしてた私からすると、「ここでアプリ作っても、おそらく大したダウンロード数にはならんよなぁ」と個人的には思っているのだが、この状況を機に、一気に電子出版に対する共通理解を深めるチャンスなのだと思い頑張ってエバンジェリスト役を務めている次第であります。

ソフトバンクがiPad向けに定額サービス 新聞・雑誌・テレビ31コンテンツが見放題
そんな中で突如発表されたサービス「ビューン」。月額450円で雑誌や新聞などのコンテンツが読み放題、というサービスで、アクセスが集中しオープン初日の昨日はまったく接続できない状況が続いていた。気になるのはそのビジネスモデルで・・・雑誌の場合は「この雑誌のこの記事が読みたい」と思った読者からカネをもらうのが当たり前なんだけど、一定のおカネを払えば好きな雑誌を読み放題というのは・・・まぁマンガ喫茶の雑誌みたいなもの、と思えばいいのか。それにしても個人的には釈然としない感じ。読者の立場に立つと、確かに定額読み放題というサービスは魅力的に映るが、カネを払ってみたものの読みたい記事が提供されなかった、といった場合の不満は多そうだ。