diary

2010年7月21日(水曜日) 「読める」電子書籍から「読みたい」「買いたい」電子書籍を作るために。

★いつもの記事とは趣を変え、電子書籍に関して最近自分が考えていることを、だらだら書いてみようという気持ちになってきた。

★電子書籍の世界に飛び込んで丸3年くらい。特に今年はけっこう真面目に電子出版関連の企画を考えたりいろんな会社の人とあったり業界団体の集まりやセミナーに首をつっこんで話を聞いたりしているのだが、「紙の世界」に比べるとまだまだ成熟してないというか、編集者や著者がコンテンツで「競争」できるレベルにも到達していない、という気がしている。

★フォーマットをどうするか、プラットフォームをどうするかというのはあくまでも紙の本を電子化して電子デバイスで「読める」段階にする話、にすぎない。「読める」のレベルを超え、「読みたい」と読者に思わせるものにしていくには、また別の仕掛けが必要だ。電子書籍で商売をしようという自分が言うなら、「(カネを出しても)買いたい」とユーザに思わせるサービスにしなければ、自分たちの米代を稼ぐことはできない。

★そのためには、コンテンツそのものを電子ならではの表現形態にどう発展させていくか、というのも大事だろう(個人的には、安易なリッチコンテンツ化やソーシャル連携には疑問だが、まぁそれは置いといて)。しかし、私自身は「電子書籍をどう売るか」という視点が、現状ではあまりにも貧弱だ、という風に思っている。「読む空間」も重要だが、「買う空間」は同じくらい、あるいはそれ以上に重要なのではないか。

★現業でお付き合いをしている会社もある中でこういうことを言うのは気が引けるが、残念ながら現在の電子書店を見ていて、私はまったくわくわくできない。自分の知らない新たな商品に出会える喜びとか、自分が思いもよらなかった商品をオススメされる驚きとか、リアルの書店やamazonのようなオンライン書店では実現できていることが、電子書店と呼ばれるサービスでは、まだどこも実現できてないように思われる。

★「本の学校 出版産業シンポジウム」で、植村八潮氏が「iPad版の京極夏彦『死ねばいいのに』って、15000ダウンロードされたというけど、あのうち全文を電子で読んだ人がはたして何人いると思うか?」という疑問を呈されていた。私も、とりあえず買ったが読んでない大多数のうちの一人だ。だけど考えてみると、それって紙の本でも同じなんじゃなかろうか。多くの読書家は「欲しくて買ったもののまだ読んでない」本をたくさん抱えているのではないだろうか。

★つまり、もともと本とは「読書」だけが楽しいのではない。「購書」という行為そのものが、楽しいのだ。

★そう考えると、電子書籍の世界では、まだ「魅力的な購書空間」を演出しているサービスに出会えてない気がする。

★「プラットフォーム事業者」が狙っているのはどちらかというとバックエンドの世界であって、読者と接するフロントエンドの部分ではあまり画期的な発表がなされてない。あるいは、読者との接点としては「端末」のほうに視点が向かっているきらいがある。もちろんハードも重要だし、コンテンツの量も重要だろうけど、そのハードにどんなサービスが載るのか、のほうが読者にとっては本当は重要だろう。

★意識的にか無意識にかわからないけど、そのあたりに気づいているのが、電書部の活動なのだと思う。先週末のイベントには行けなかったが、「電書フリマ」という「電子書籍を買うためのリアルイベント」は、一見変な気がするものの、読者と著者を集めてコミュニティを形成し「電子書籍と出会う空間」を見事に演出している。あるいは、昨今流行っている電子書籍関係の多種多様なセミナー・講演会で、これも「電子書籍ビジネスをやりたい人、不安な人」を集めて一つのコミュニティを形成している。

★「購書空間=擬似的な書店空間」と考える必要もないだろう。リアル書店においても、店売だけでなく「外商」という売り方もある。書店のおやじさんが雑誌を自転車で配達しながら「お、おたくのぼっちゃん、今年小学校だよね、『小学一年生』定期でどう?」というような営業活動を電子書籍でやろうと思ったらどうするか?「お、kajieさんはいっつも電子書籍のことばっかりツイートしてるよね、どう、今週の『週刊東洋経済』はメディア産業特集だよ」とDMしてくるサービス、とかになるのかな。

★繰り返しになるが、デバイスの普及や出版社の努力によって「読める」電子コンテンツが増えてきているのは事実だ。しかし、「読める」ではだめだ。「読みたい」と思ってもらえないといけない。そのためには、単なる二次利用にとどまらない電子ならではのコンテンツの開発も必要だ。しかしそれと同じくらい、いやそれ以上に読者とコンテンツの「出会いの場」を設け、「読みたい」「買いたい」と思っていただけるようなサービス開発が重要なのだと思う。

★で、ここに手を挙げて何かしようという人が、意外に少ないような気がするので・・・自分は出版社にいながらコンテンツを作らない人、というコウモリのような立場にいる人なのだが、そのどっちつかずな立ち位置を利用して、この領域を今年はもうちょっと頑張ってみたいなぁと思う。どこまでできるかわからんが。

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コメント (1) »

  1. お尋ね!私は 国内始め海外技術指導を韓国20年 中国各省要請15年している
    しかし 最近学校を卒業しても勤め口が無く100社就活したが入れない!
    自分等は要らない存在なのではと諦めの口調で彼等は言う!
    これを救う手があるとしたら 本来は手足を取り自活方法を教えれば
    良いのでしょうが 日本全国 いや世界中で今この様な現象が起きてる。
    これを救うのは本画像で【起業方法】を教えてやれば良いのでしょうが それでは遅い!そこで私は電子版起業方法で希望者に教えたい。
    或いは 電子書籍版で【起業 副業】方法を画像クリックしたら500円か
    1,000円貰って これで自宅で【起業】出来る方法教える。
    勿論御社無料出版から出しますが そこにはどう言う形で御社に謝礼する
    か? 今の私には分りませんが その方法を教えて下さい。
    電子版出す人!書く人!学ぶ人!3者が喜ばれる方法で起業指導したい
    お教え下さい。お願い致します。 記 鴫原久美(SIGIHARA)
    TEL FAX 0465-47-5654 mgslabo3377@yahoo.co.jp
    250-0874 神奈川県小田原市鴨宮242-11

    コメント by 鴫原 久美 — 2011/1/9 日曜日 @ 14:59:13

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